【シグナス冒険譚】愛知から宮城へ列島縦断ツーリング【点検・整備編①〈フロントブレーキ〉】

シグナス

往復で1500km以上に及ぶであろう列島縦断ツーリングを安全にトラブルなくおえれるよう各部点検整備を行っていきます。エンジンオイル、ギアオイルは交換したばかり。ドレンからの漏れもなくひとまずは大丈夫そうです。

先日フロントタイヤを交換した際にキャリパーがディスクに噛みついていて中々取れず往生しました。購入以来ノータッチ、ノー点検でしたのでこの機会にバラしてチェックしフルードの交換もすることにします。他にもヤバそうなのがあれば適宜交換予定です。

タイヤ交換についてはこちら↓

【シグナス整備帳】フロントタイヤの交換(DUNLOP SCOOTSMART 110/70-12 47L)【ODO=約28,100km】
先回最後の方で軽く触れましたがフロントタイヤの状態を確認してみたら残溝はともかく摩耗がヤバい感じでした。交換時、オドメーターは約28100km。写真撮ろうと思っていてすっかり忘れてました。昨年、2020年の10月にタイヤ交換に初挑戦し、今回...

フロントブレーキマスターの点検

点検窓から覗くだけではイマイチ状態がわからないのでマスターのフタをとり直接確認します。カウルの中にスッポリ収まっているので少々面倒です。

ハンドル周りのカウル脱

まずは首元のネジが左右に1本ずつ。

ミラーの横っちょに1本ずつ。

正面から見てウインカーの下に2本ずつネジがあります。

上部の引っ掛かっている部分を外せばカウル自体はこれで取れます。

内側にウインカーのコネクタがあるのでこれを外して今度こそカウル脱完了です。が、

メーター側のカウルが覆いかぶさっているのでこちらもどかさなければなりません。

まずミラーを取り外し。ゴムを下にずらし17mmのスパナで緩めます。右側のミラーは右に回すと緩んでいく「逆ネジ」になってます。

暗くて分かりづらいところに在りますが左右とも1本ずつネジがあります。ざっと見た感じだとネジはコレだけなんですが何かが引っ掛かっていてカウルがズレてくれません。

メーターケーブルが突っ張っていたっぽいのでホイール側を外します。メーター側だと取り付けが面倒くさそうだったので。

無事に動いてくれたのでこれでようやくフルード交換の準備完了です。面倒くさいです。マスターも剥き出しなネイキッドバイクが恋しくなります。

フルードの状態チェック

舐めてかかってネジ穴をナメないよう慎重に緩めます。マスタータンクの汚れようの割にはネジはキレイですんなり緩んでくれました。

フタ、樹脂のプレートをどかしてダイヤフラムを取り外し、、

点検窓から見た限りではそうでもなさそうでしたが見事に変色してます。しかもダイヤフラムやタンクのフチが湿ってます。雨かなにかが侵入したのでしょうか…

ブレーキの効き具合に問題はありませんでしたが少なくとも2年以上は交換されていないので確認して正解でした。

キャリパー分解整備

ひとまずマスターはおいといてキャリパーの方をバラしていきます。

12mmか14mmくらいのボルトを2本外しましたがキャリパーは先回同様ディスクに噛みついていて全然取れる気配がありません。

ゴムハンマーでどついて少しずつズラして外しました。続いてはキャリパーサポートの取り外し。キャップボルトを外さなければならないので、

もう一度フォークに固定し緩めます。先に緩めておけと言われそうですが久々のキャリパー整備で要領を得ていないのでご容赦ください。

ちゃんとグリスが残っていました。たぶんゴムブーツがちゃんと守ってくれていたのでしょう。

続いてはパッドピンの取り外し。

見事に錆びてました。後ほど磨いてやります。

ピストンの揉み出し

ピストンのお目見えです。薄汚れてはいますが思っていたよりは悪い状態ではありませんでした。しかし手で押してもビクともしません。 たぶんこいつの動きが悪くなっててディスクに噛みついていたんだと思われるので揉み出しします。汚れをザッと落としてシリコングリスを塗布。

手では動いてくれないのでクランプとスパナを使って押し戻します。

難なく押し込めました。が、

こちらは難ありです。当然のように塗装が剥げました。抑える箇所を保護する必要がありますね…

手で押せるようになるまで何度か同じ作業を繰り返します。クランプを入れ替え両方のピストンを揉み出し手で押し込めるようになりました。が、

保護していないのでさらに傷口が拡がりました。

各部清掃

気にせず作業を続けていきます。次はパッドピンを真鍮ブラシで磨いてやります。

だいぶキレイになりました。

ついでにキャリパーの内側もブラシでゴシゴシと。少しだけ見栄えがよくなりました。

グリスは残っているもののなんとも汚らしいです。ざっと拭き取り後ほどシリコングリス塗布です。

パッドの縁が当たる金具。名前がわかりません。ミニ四駆のターミナルみたいです。こちらも真鍮ブラシでゴシゴシと。

パッドもブラシでこすって仕上げにパーツクリーナー。薄汚れていてなんなのか分からなかったのですがデイトナの赤パッドっぽいのが付いてました。純正ではなさそうです。ということはこれまでに少なくとも一度はキャリパーが取り外されているということになります。パッドの厚みがしっかり残っているのもこれでうなずけます。

パッドの間に挟まっていた変なやつもブラシで磨いてやります。これで組み付けの準備完了です。

グリスアップして組み付け

ミニ四駆のターミナルみたいなやつとパッドの裏側とパッドピンにパッドグリス。

変なやつにはウレアグリス。

ゴムブーツとキャップボルトにはシリコングリスとグリスを使い分けてみましたがこれが正しいかは分かりません。

パッドを入れて。

変なやつを挟んで。

ゴムブーツを取り付け。それから本体に入れてパッドピンを入れてゴツいキャップボルトを仮締めして、

フォークに取り付けて、

キャップボルトを本締めして完了です。最悪の場合、ピストン交換も視野に入れていましたがそこまで状態が悪くなくて良かったです。

ブレーキマスター付近の整備

キャリパーの整備が一段落ついたのでマスター側の整備に移ります。まずはブレーキレバーを外します。

ブレーキレバー取り外し

下側のナットを外してボルトを緩めるだけで外れます。

バネがある関係ですんなりとはボルトが抜けません。レバーを軽く抑えながらボルトを抜きます。

マスターシリンダーが現れました。一度バラして状態を確認していきます。

マスターのピストン取り外し

ゴムをレディオでつまんで引っこ抜いてやります。破れると厄介なので慎重に。

奥底に張り付いていてすんなりとれませんでした。

ピストンを外すにはこの穴の中のリングを外さなければなりません。

スナップリングプライヤーってのが必要になってきます。しかし、

グリップが邪魔をして上手いこと外せないので、

ハンドルからマスターを外せばかなりラクです。速攻で外せました。フルードが満たされている部分になるので予めフルードを減らしておく必要があります。自分はさきほどフルードの状態を確認したときにティッシュに吸わせてタンク内を空にしておきました。

ピストンの状態をチェック。至って健康的なピストンでした。

組み立て

ゴムなのでいつもどおりシリコングリスを塗布。

ゴムブーツにもシリコングリス。レバーのボルトもグリスアップ。レバー自体も擦れる部分にうっすらと塗っておきました。

あとはピストンをぶち込んでスナップリングをしっかりとはめて、

ゴムブーツをはめてハンドルに取り付けてレバーを付ければ完了です。

ブレーキフルードの交換

ブレーキ整備もいよいよ最終段階、フルードを交換します。

8mmのメガネをブリーダーボルトにはめて少しキツイくらいのホースをはめて廃フルード受けのペットボトルをセットします。

レバーを握る→ブリーダーボルトを緩める→締めるといった作業の繰り返しになります。マスターの整備に伴い空気が混入したのでブクブクとホースから気泡が出てきました。

マスター側からも気泡が出てきました。新しいフルードで汚れたフルードを押し出していくのでタンクのフルードがだんだん減っていくので、気を付けないと空になりまた空気が混入してしまうためフルードの補充を忘れずにおこないます。

気泡が出なくなるまでこの作業を繰り返します…

レバーの操作感もある程度固くなりもう良いだろうと頃合いを見計りフルード交換、エア抜き完了です。

ダイヤフラムはゴムなのでいつもどおり(ry

点検窓の下限ラインは充分に上回っています。

ブリーダーボルトの穴にはティッシュを細めて挿して残フルードを除去。挿して抜いてを繰り返すよりも挿したままちょっと放置したほうが吸い取ってくれていいみたいです。ティッシュの節約にもなりそうです。

あとはカウルを元通りにして終わりですが、メーターのカウルが上手くハマりませんでした。左のグリップとスロットルワイヤーの隙間がギリギリのせいです。ワイヤーのブラケットを緩めて少しズラしてはめました。

あとがき

無事にトラブルなく作業を終えれました。漏れなどもなさそうです。

他にも出発までに見ておきたいところがたくさんあります。はたして時間が足りるかどうか…次回は電装関係をチェックしていきます。

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